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Q1.まだ判断能力は低下していないが、動くことができないので代理人に財産管理をしてもらいたい。 任意後見契約はできる? A: この場合は通常の委任契約をすることになります。 そして、このときに将来判断能力が低下したときのために、任意後見契約を同時に結んでおくといいで しょう。 そうすれば、判断能力低下前の事務は通常の「委任契約」によって処理し、判断能力低下後は任意後見 契約によって処理されることができ、円滑に事務が移行できます なお、この契約は1通の公正証書でできます。 Q2.任意後見契約はなぜ登記する? A: 任意後見公正証書は、公証人の嘱託によって契約内容が登記されます。 そして、任意後見人は登記所から任意後見人の氏名、代理権の範囲を記載した登記事項証明書の交付 が受けられます。 任意後見人は、この証明書で円滑に事務処理が処理できるわけです。 また、取引の相手方も、その任意後見人が正当な代理人であることを確認でき、安心して取引ができる ことになります。 Q3.軽い痴呆でも任意後見契約はできる? A: 本人に契約を結ぶことができるだけの事理弁識能力があれば、できます。 公証人は本人の事理弁識能力に疑義があるときは、医師の診断書などの客観的な資料によって確認し ます。 もし、事理弁識能力がないとされると任意後見契約はできません。この場合は「法定後見制度」によるこ とになります。 家庭裁判所に後見開始の申立てをし、審判を受けると後見人が代理人として事務を処理できるようにな ります。 Q4.任意後見受任者には一人だけしかなれないのか? A: 任意後見契約には、複数の任意後見受任者の選任が許されます。 例えば、二人の任意後見受任者が各自単独で権限を行使できるとき、又は複数の受任事項について 権限の分掌の定めがあるときには、契約はそれぞれ各一つの契約が成立します。この場合、公正証書 は別個に作成しても、一つにまとめて作成してもよいとされています。ただし、代理権目録は別々に作成 します。 また、受任事項の全部または一部について二人の権限の共同行使の定めがあるときは、一つの公正証 書で作成することになります。 Q5.委任した事務処理にかかる費用はどのように払うのか? A: 財産管理などの事務処理にかかる費用は、本人の財産から支払われることになります。 また、任意後見人に報酬を支払うことを決めてある場合には、その費用も本人の財産から支払うことに なります。 Q6.任意後見人や任意後見監督人には報酬を支払わなければならないのか? A: 任意後見契約は委任契約であり、任意後見人に対する報酬の支払いは任意です。(無償でもよい) 支払う場合には、契約で金額や支払方法などを決めておきます。 任意後見監督人には報酬が支払われますが、その額は選任した家庭裁判所が決定し、本人の財産から 支払われることになります。 |