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<脳脊髄液減少症とは> 従来は、注射針による麻酔、特に脊髄穿刺による麻酔後に穿刺部分から髄液が漏出して頭蓋内、脊髄腔内の 髄液圧が低下することにより、それまで浮力によって脳脊髄の自重を減少させたり、神経根の緊張を和らげるなどしていた機能が失われ、脳の位置がずれたり、痛みを感じる血管組織等が牽引されたり圧迫されて、頭痛等の多彩な症状を出現させると考えられてきました。 しかし最近では、交通事故による外傷や打撲による労働災害、激しい運動などによる外傷のほか、激しいせき、航空機搭乗による気圧の急激な変化、自宅でのしりもち、頸部・体幹のねじれなどが原因で髄液漏出が起きる可能性が指摘されています。 症状としては、立位、座位をとると頭痛が憎悪する、耳鳴り、聴力低下、光過敏、悪心などです。 脳脊髄液減少症の診断は極めて困難なもので、確定的な診断ができない状況です。 従って、交通事故による損害賠償請求の判例でも認容したもの(福岡地裁H17.2.22、鳥取地裁H18.1.11)、否定したもの(横浜地裁H17.12.8)等があり、今のところ事故との因果関係が否定される傾向が強いようです。 |